紅茶の歴史は紀元前の中国にまで遡り、現代に繋がる文化・伝統としての紅茶は17世紀イギリスがルーツと言われております。
ポルトガル王女カタリナ・デ・ブラガンサが英国に嫁ぎ、緑茶を英国に持ち込んだことに始まり、後の英国女王メアリ2世やアンが飲茶を習慣としたことから、茶が貴族の間で広まり今日まで受け継がれることになりました。
欧州で王族や貴族の嗜みとして確立された後に、イギリスの大衆に普及したことから、現在でも紅茶にはハイソサエティの娯楽・慣習という印象が根強く残っております。
そして、少なくとも日本においては、紅茶がハイソサエティの嗜みであるというイメージは概ね現実と相違ないと申し上げてよいでしょう。
より単純明快な娯楽が溢れる現代において、それらを差し置いて、些か手間暇が掛かる上に愉しみ方を理解するまでに努力を要する可能性のある紅茶を趣味として始めることは、金銭的・時間的・精神的な余裕無くしての実現は難しいからです。
この実状を踏まえて、当教室では、これまでに築き上げられてきた「紅茶を嗜む人」のイメージを貴び、それに倣って紅茶の愉しみ方やマナーを会員様にお伝えしてゆきます。
それは則ち行儀作法や品格、教養や人格を重んじることと等しく、ともすれば出自をも問いかねないことは認めざるを得ません。
しかし我々が繰り返しお伝えしたいことは、紅茶は決して難しいものではなく、人を選ぶような特別な嗜好品でもない、ということです。
考え方次第で誰もが今すぐに愉しむことができ、努力次第でどなたでもより良いものを身に付けることが出来る、それが紅茶という品、ツールで御座います。
当教室での経験を通して、紅茶通の会員様にはその知識と技術により一層の磨きを掛けて頂きたく、また、初心者の会員様には紅茶の魅力と影響力を実感して頂きたく存じます。
私たちは、紅茶が如何に楽しくも趣深い文化・嗜好品であるかを多くの人に広めていく所存です。
ただし前述致しました通り、私たちは紅茶とそれに関わる人々のイメージを尊重し、あくまでもそれに倣って皆様の学びのお手伝いをさせていただきます。
従って、品格や礼儀作法に関しましては誇りを持って一貫した信条を掲げ、その信念の基に日々の活動に取り組むことをここに宣言致します。